私が思う「真の根管治療」とは 埼玉県熊谷市桶川市坂詰歯科|歯を抜く、神経を抜くと言われお悩みの方へ|根管治療・歯髄保存ガイド

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コラム

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私が思う「真の根管治療」とは 埼玉県熊谷市桶川市坂詰歯科

  • 根管治療

私が思う「真の根管治療」とは?

「良い根管治療」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。

マイクロスコープを使うこと。
CTを撮影すること。
特殊な器具を使うこと。
難しい根管を見つけること。

もちろん、これらは根管治療を行ううえで大切な要素です。

しかし、長年根管治療に携わってきて、私自身がそれ以上に大切だと感じていることがあります。

それは、根管治療は「手技」だけではなく、治療前から治療後までをどのようにマネジメントするかが非常に重要な治療であるということです。

① 前医の治療を尊重する

再根管治療では、以前に他院で治療された歯を診察する機会が多くあります。

しかし、現在の状態だけを見て、

「前の治療が悪かった」
「この治療方法は間違っていた」

と簡単に判断できるものではありません。

治療当時にどのような症状があり、どのような診断のもとで、どのような事情からその治療が選択されたのか。後から診察する歯科医師には、すべてを知ることはできません。

だからこそ私は、前医の治療を尊重したうえで、「現在の状態に対して、これから何ができるのか」を患者さんと一緒に考えることが大切だと思っています。

② 「必ず治る治療ではない」と治療前に伝える

根管治療は、適切に行ったとしても、すべての歯が治癒するとは限りません。

実際、トロント大学の研究でも、治療前に根尖性歯周炎が存在するか、歯根の数、治療中の偶発症など、さまざまな条件によって治療成績が異なることが報告されています。

つまり、治療結果は「歯科医師の技術」だけで決まるわけではありません。

だからこそ私は、治療を始める前に、

「この歯は治療すれば必ず治ります」とは説明しません。

期待できることだけでなく、治らない可能性についても説明したうえで、患者さん自身に治療を選択していただくことが大切だと考えています。

③ 根管治療そのものが難しい治療であることを伝える

根管は非常に細く、複雑な形態をしています。

枝分かれした根管、イスマス、狭窄した根管、過去の治療によって形態が変化した根管など、同じ歯種であっても状態は一つひとつ異なります。

マイクロスコープやCTなどの機器が発達した現在でも、根管治療には限界があります。

大切なのは、難しいことを隠して「大丈夫です」と言うことではなく、

「根管治療はもともと不確実性を伴う治療です」

と治療前にきちんとお伝えすることだと思っています。

④ 治らなかった場合の「次の一手」を最初から説明する

私が特に大切にしているのが、この部分です。

根管治療を行って治癒すれば、それが最も望ましい結果です。

しかし、治癒しなかった場合には、その時になって初めて考えるのではなく、治療前から次の選択肢について説明しておくことが重要だと考えています。

再根管治療、外科的歯内療法、意図的再植、あるいは抜歯など、歯の状態によって選択肢は異なります。

「今回の治療がうまくいかなかったら、次はどうするのか」まで説明して初めて、患者さんは納得して治療を選択できる。

私はそう考えています。

⑤ 偶発症が起きたときこそ、きちんと説明する

根管治療では、器具の破折、穿孔、根管への到達困難など、治療上の偶発症が生じる可能性があります。

どれだけ注意深く治療しても、その可能性を完全にゼロにすることはできません。

大切なのは、問題が生じた場合にそれを患者さんへ説明し、現在の状況と、その後に考えられる治療方法や代替案を提示することです。

良い結果だけを説明するのではなく、予期しないことが起きたときにも患者さんと情報を共有する。

これも根管治療の重要な一部だと考えています。

⑥ 根管治療を行わないという判断も大切

「歯を残したい」という患者さんの希望は、私たち歯科医師もできる限り大切にしたいと思っています。

しかし、すべての歯に根管治療を行うことが患者さんの利益になるとは限りません。

歯根破折が疑われる場合、残存歯質が著しく少ない場合、外科処置の方が適している場合など、根管治療以外の選択肢を検討した方がよいこともあります。

その場合には、無理に根管治療を続けるのではなく、

「この歯には根管治療を行わない方がよい可能性があります」

とお伝えし、手術や抜歯などを含めた選択肢について説明することも、歯科医師の大切な役割だと思っています。

⑦ 根管治療は「被せ物まで続く治療」である

もう一つ、患者さんにぜひ知っていただきたいことがあります。

根管治療は、根の中を治療して終わりではありません。

多くの場合、その後に土台を作り、歯の状態に応じて被せ物などによって歯を修復し、再び噛める状態にしていく必要があります。

つまり根管治療は、最終的な修復治療へつなげるための重要な過程でもあります。

どれだけ根管内を丁寧に治療しても、その後の修復や管理が適切でなければ、長期的な歯の保存につながらないことがあります。

そのため当院では、「根の治療をどうするか」だけでなく、「その歯を最後にどう修復し、どう使っていくのか」まで考えることを大切にしています。

私が考える「真の根管治療」

根管治療については、現在でもさまざまな術式や考え方があり、すべての症例に対して唯一絶対の方法が確立しているわけではありません。

トロント大学のShimon Friedman教授らによる研究からも、治療成績には術式だけでなく、治療前の病変の有無、歯の解剖学的条件、偶発症など多くの要因が関係することが示されています。

だからこそ私は、

「どの器具を使ったか」「どの技術を使ったか」だけが根管治療の本質ではない

と考えています。

前医を尊重する。

治療の難しさと限界を説明する。

治らない可能性も説明する。

偶発症が起きたら説明する。

治らなかった場合の「次の一手」を準備しておく。

そして、根管治療後の被せ物や長期管理まで考える。

私は、こうした一連のマネジメントまで含めて根管治療だと考えています。

そして忘れてはいけないのが、根管治療には、抜歯になる可能性のある歯を保存できる可能性をつくるという、大きな価値があることです。

決して万能な治療ではありません。

しかし、適切な診査・診断を行い、その歯の限界を見極め、患者さんと十分に相談しながら治療を進めることで、歯を残すための重要な選択肢になります。

「難しい歯を治せること」だけではなく、

治せる可能性、治せない可能性、その先の選択肢まで患者さんと共有すること。

それが、私が考える「真の根管治療」です

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