最初の根管治療で全力を尽くさないと、後で、、 熊谷市桶川市坂詰歯科
- 根管治療
最初の根管治療で全力を尽くさないと、後で追い込まれる可能性
根管治療は、最初の1回が非常に重要です。
根管治療は、歯を残すために行う大切な治療です。
しかし、一度根管治療を行った歯が、必ずしも長期間問題なく使えるとは限りません。
日本における根管治療の治療成績については、必ずしも良好とはいえない可能性を指摘する報告もあります。
そして、私が特に患者さんにお伝えしたいのは、「最初の根管治療がうまくいかなかった場合、その後の治療はさらに難しくなることがある」という事実です。
① 根管治療に失敗すると、抜歯が必要になることも
根管治療後に根の先の炎症が改善しなかったり、再び感染が起きたりすると、痛みや腫れなどの症状が出ることがあります。
その場合、再び根管治療を行う「再根管治療」が選択肢になります。
しかし、すべての歯が再根管治療の対象になるわけではありません。
歯根破折、歯質の残存量、歯周組織の状態などによっては、再根管治療による保存が難しく、抜歯を検討しなければならない場合もあります。
つまり、最初の根管治療がうまくいかなかった場合、必ずしも次のチャンスがあるとは限らないのです。
② 再根管治療は、最初の根管治療より難しい
再根管治療では、以前の治療で使用された材料の除去や、複雑な根管形態への対応などが必要になる場合があります。
また、過去の治療によって根管の形態が変化していることもあり、治療の難易度が高くなることがあります。
再根管治療の治療成績を検討した研究として、トロント大学の研究グループによる「トロントスタディ」が知られています。
この研究では、再根管治療の成功率として約74〜84%という数値が報告されています。
ただし、この数値は研究で定められた条件や評価方法に基づくものであり、すべての歯に当てはまるわけではありません。
また、専門的な知識や技術を有する歯科医師が治療を行った研究結果であり、日本の一般的な保険診療における成功率を示したものではありません。
専門的な治療を行っても、再根管治療には一定の不確実性が残るのです。
③ 再根管治療は、誰でも、どの歯でも成功する治療ではありません
再根管治療で特に重要なのは、治療技術だけではないと私は考えています。
それ以上に大切なのが、治療前の診査・診断です。
その歯は本当に再根管治療によって改善が期待できるのか。
治療を行うことで、歯をさらに弱くしてしまう可能性はないのか。
仮に再根管治療が成功しても、その後、被せ物を装着して長期間機能させることができるのか。
こうした点を慎重に判断する必要があります。
再根管治療は、単に「もう一度やってみる」という治療ではありません。
歯の状態によっては、外科的歯内療法や抜歯など、別の選択肢を検討する必要もあります。
④ 最初の根管治療に十分な時間と費用をかけるという選択
私は、最初の根管治療に十分な時間と費用をかけることは、長期的に考えると費用対効果の高い選択になり得ると考えています。
もちろん、保険診療でも良好な経過が得られる歯はあります。
一方、複雑な根管形態や難易度の高い症例では、十分な診査・診断、治療時間、設備、技術などが必要になることがあります。
当院では、自由診療による精密根管治療において、マイクロスコープや歯科用CTなどを必要に応じて活用し、個々の歯の状態に応じた治療計画を立てています。
自由診療だから必ず成功するというわけではありません。
しかし、治療に必要な時間や方法を検討しやすいことは、自由診療の特徴の一つと考えています。
最初の治療費だけでなく、再治療の可能性、通院にかかる負担、将来の抜歯や補綴治療の費用まで含めて考えることが大切です。
⑤ 最初の根管治療が、最後の根管治療になることを目指して
一度根管治療を行った歯に、再び治療が必要にならないこと。
これが私の目指す根管治療の一つの理想です。
もちろん、どれだけ慎重に治療を行っても、すべての歯で成功を保証することはできません。
それでも、最初の根管治療でできる限り適切な診査・診断と治療を行うことには、大きな意味があると考えています。
「最初は費用を抑えて、問題が起きたら精密な治療を受ければよい」
そのような考え方もあるかもしれません。
しかし、再治療が必要になったときには、すでに歯の保存が難しい状態になっている可能性もあります。
だからこそ、私は患者さんにお伝えしたいのです。
最初の根管治療こそ、将来を見据えて慎重に選択していただきたい。
最初の根管治療で、できる限りのことをする。
それが、大切な天然歯を長く残すための一つの考え方だと思います。
坂詰歯科・矯正歯科では、患者さんのご希望や歯の状態を踏まえ、保険診療と自由診療、それぞれの特徴や選択肢についてご説明しています。









