奥歯根管治療時自分にはMB2があるか聞いてみる 熊谷市桶川市坂詰歯科|歯を抜く、神経を抜くと言われお悩みの方へ|根管治療・歯髄保存ガイド

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自分には「MB2」があるか聞いてみる

― 上の奥歯の根管治療を受ける方へ ―

「私の歯には、MB2がありますか?」

上の奥歯の根管治療を受ける際には、一度、担当の先生に聞いてみてもよい質問だと思います。

MB2とは?

上顎大臼歯、つまり上の奥歯には、歯の中に複数の根管があります。

そのなかでも特に見つけにくい根管の一つが、MB2(近心頬側第2根管)です。

MB2は非常に細く、入り口が分かりにくかったり、途中で別の根管と合流していたりすることもあります。そのため、通常のレントゲン写真だけでは存在を判断しにくい場合があります。

MB2の出現頻度については人種・年齢・研究方法などによって報告に幅があります。近年の日本人833本の上顎第一大臼歯をCBCTで調べた研究では、52.9%にMB2が確認されたと報告されています。

つまりMB2は「特殊な人だけにある珍しい根管」というより、上の奥歯を治療するときには、その存在を考慮する価値のある解剖学的構造の一つです。

MB2があれば、必ず治療しなければ治らない?

ここは誤解してほしくない大切なところです。

「MB2がある=そこを治療しなければ絶対に治らない」というわけではありません。

MB2にはさまざまな形態があり、MB1と途中で合流する場合もあります。また、根管治療の予後はMB2だけで決まるものではありません。

根管内の感染状態、根管の形態、以前の治療内容、歯根破折の有無、修復物からの漏洩など、多くの要因を総合的に診断する必要があります。

そのため、単純に

「MB2を治療していないから失敗した」

と断定することも適切ではありません。

一方で、未処置のMB2と根尖性歯周炎との関連を示した研究が複数報告されていることも事実です。

あるCBCT研究では、根管治療後の上顎大臼歯において、MB2を見逃していた群では根尖性歯周炎のリスクが高かったと報告されています。また別の研究でも、未処置MB2と根尖性歯周炎との統計学的な関連が報告されています。

したがって現在では、上顎大臼歯の根管治療を考えるうえで、「MB2が存在する可能性を考えて診査すること」は大切なポイントの一つだと考えられます。

なぜMB2は見逃されやすいのか?

MB2は非常に小さく、歯の奥深い位置に存在することがあります。

さらに、

・入り口が石灰化している
・MB1の近くに隠れている
・根管口が非常に小さい
・途中でMB1と合流している
・通常のレントゲンでは確認しにくい

など、発見や処置が難しい場合があります。

そのため、必要に応じてCBCTによる三次元的な診査や、マイクロスコープによる拡大視野での観察などを組み合わせながら判断することがあります。

ただし、CBCTやマイクロスコープを使用すれば必ずMB2を発見できる、あるいは必ず治療できるという意味ではありません。歯の状態によっては、探索そのものが歯質を大きく削るリスクにつながる場合もあります。

「見つけること」だけでなく、「どこまで探索・処置することがその歯にとって利益になるのか」を判断することも重要です。

奥歯の根管治療を受けるときは聞いてみてください

上の奥歯、特に上顎第一大臼歯の根管治療を受ける場合には、

「私の歯にはMB2がありますか?」

「MB2の可能性についても診査していますか?」

と担当の先生に質問してみてもよいでしょう。

MB2を実際に処置する必要があるかどうかは、歯ごとに異なります。

大切なのは、MB2があるか・ないかだけではなく、その可能性まで含めて診査し、その歯に適した治療方針を考えてもらうことだと思います。

「マイクロスコープがある」だけで判断しない

もう一つ、患者さんに知っておいていただきたいことがあります。

根管治療は、設備だけで治療内容が決まるわけではありません。

マイクロスコープやCBCTは非常に有用な機器ですが、最終的には、それらから得られた情報をどのように診断し、どのように治療へつなげるかが重要です。

MB2は小さく複雑な形態をしているため、その診査や処置には根管治療や顕微鏡歯科治療についての知識・経験が求められます。

私自身、日々の診療や歯科医師向けの講演を通じてMB2を含む複雑な根管治療に携わっていますが、MB2への対応は決して簡単なものではないと感じています。

より詳しい診査や治療を希望される場合には、歯内療法や顕微鏡歯科に関する専門的な研修・資格なども、担当する歯科医師を探す際の一つの参考情報になるでしょう。

ただし、資格の有無だけで治療結果が決まるものではありません。

MB2を「治療したか」より、「考えて治療したか」

MB2が存在していても、すべての症例でMB2への処置が必要とは限りません。

しかし、上顎大臼歯にはMB2が一定の頻度で存在し、未処置MB2と根尖性歯周炎との関連を示す研究も報告されています。

だからこそ、

「MB2を必ず治療してください」ではなく、
「私の歯にはMB2がありますか? その可能性も含めて診査されていますか?」

と聞いてみてください。

根管治療では、見えている根管だけを治療するのではなく、その歯の中にどのような根管が存在している可能性があるのかを考えることが大切です。

上の奥歯の根管治療を受ける方に、ぜひ知っておいていただきたい「MB2」という名前です。

※根管の形態や治療の必要性は患者さんごと、歯ごとに異なります。本記事は一般的な医学・歯学情報を提供するものであり、特定の治療方法や治療結果を保証するものではありません。

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