奥歯の根管治療は「MB2」の治療が必須の時代へ 加須市羽生市東松山市坂詰歯科
- 根管治療
奥歯の治療は「MB2」の治療が必須の時代へ
「根管治療をしたのに、なぜ治らないのだろう?」
その原因の一つとして、上顎大臼歯ではMB2(近心頬側第2根管)と呼ばれる、見つけにくい根管の存在が知られています。
上の奥歯の根管治療を考えるうえで、いまやMB2は「あるかもしれない特殊な根管」ではなく、治療前からその存在を想定して診査することが重要な根管だと当院では考えています。
MB2は決して珍しい根管ではありません
上顎大臼歯の近心頬側根には、通常確認しやすいMB1とは別に、MB2と呼ばれる根管が存在することがあります。
日本人を対象とした研究を含め、報告によって数字には幅がありますが、
上顎第一大臼歯では約70%、上顎第二大臼歯でも約半数
にMB2が存在するとされています。
つまり、特に上顎第一大臼歯では、MB2は決して「珍しい根管」とはいえません。
むしろ、
「MB2があるかもしれない」ではなく、「MB2が存在する可能性を最初から考えて治療する」
ことが重要な時代になっていると考えています。
問題は「MB2が見つけにくく、未処置になりやすい」ことです
MB2は非常に細く、入口が石灰化していたり、歯の内部の深い位置に隠れていたりすることがあります。
そのため、肉眼だけでは発見が難しい場合があります。
実際、過去のさまざまな研究では、MB2の60〜90%程度が未処置であったとする報告もあります。
そして重要なのは、単に「MB2を見逃した」というだけの問題ではありません。
未処置のMB2が存在する歯では、60%以上で根管治療が失敗している可能性を示した報告もあります。
つまり、MB2が存在しているにもかかわらず適切に処置されなければ、その内部に細菌感染が残り、根の先に炎症が生じたり、根尖病変が治癒しなかったりする原因の一つとなる可能性があります。
根管治療では、歯の内部に存在する感染源を可能な限り減らすことが重要です。
そのため上顎大臼歯では、
「MB2があるかどうかを確認する」
「存在する場合には、可能な範囲で適切に処置する」
ことが、治療結果を考えるうえで非常に重要になります。
CTならMB2をかなりの確率で確認できます
そこで大きな力を発揮するのが、歯科用CT(CBCT)です。
通常のレントゲン写真は二次元画像ですが、CTでは歯を三次元的に観察することができます。
そのため当院では、上顎大臼歯の精密根管治療において、治療前にCT画像を詳細に確認し、MB2の有無や根管の走行を予測します。
適切な条件で撮影されたCTを詳細に読影することで、MB2は多くの症例で治療前に存在を推測・特定することが可能です。
もちろん、強い石灰化や根管の非常に複雑な形態、画像の解像度などによって、CTだけですべてのMB2を100%確認できるわけではありません。
しかし、治療を始めてから闇雲にMB2を探すのではなく、
「治療前にCTでMB2の位置を予測し、その情報をもとにマイクロスコープで探す」
という考え方は、現在の精密根管治療において非常に重要だと考えています。
MB2を治療するには「CT+マイクロスコープ+技術」
ただし、CTでMB2が確認できたとしても、それだけで治療できるわけではありません。
実際にMB2の入口を発見し、安全に根管内へ到達するためには、マイクロスコープによる拡大視野での観察が非常に有効です。
さらに重要なのが、それらの設備を扱う歯科医師の経験と技術です。
CTがある。
マイクロスコープがある。
だからMB2を治療できる。
という単純な話ではありません。
CT画像から根管の走行を読み取る力、マイクロスコープ下で歯の内部の解剖を判断する力、そして歯を必要以上に削らずにMB2へ到達する技術が必要になります。
つまり、
「どんな設備があるか」と同じくらい、「誰がその設備を使って治療するのか」が重要
なのです。
治療前に「私の歯にMB2はありますか?」と聞いてみてください
より精密な上顎大臼歯の根管治療を希望されるのであれば、治療前のカウンセリングで、
「私の歯にはMB2がありますか?」
「CTでMB2を確認しましたか?」
「MB2はどのように治療しますか?」
と担当の歯科医師に質問してみるのも一つの方法です。
上顎大臼歯の根管治療に日常的に取り組んでいる歯科医師であれば、MB2の存在する可能性、その診断方法、治療の難しさやリスクについて説明してくれると思います。
「自由診療だから安心」とも限りません
もう一つ知っていただきたいのは、自由診療であること自体が治療の質を保証するわけではないということです。
自由診療の根管治療であっても、実際に治療を担当する歯科医師の経験や得意分野はそれぞれ異なります。
ホームページがきれいか、医院がおしゃれか、最新設備が並んでいるかだけでは、実際の治療内容までは分かりません。
大切なのは、
「実際に自分の歯を治療するのは誰なのか」
です。
より精密な根管治療を希望される場合には、担当歯科医師の臨床経験に加えて、日本顕微鏡歯科学会などの関連学会の認定資格、根管治療に関する症例提示、論文・書籍などの執筆、学会発表や講演活動なども、一つの参考材料になると思います。
もちろん、資格や講演歴だけで治療結果が決まるわけではありません。
しかし、その歯科医師が根管治療について継続的に学び、どの程度専門的に取り組んでいるのかを判断する材料の一つにはなるでしょう。
上の奥歯では「MB2を考えているか」が医院選びの一つの目安
上顎大臼歯の根管治療では、MB2の存在を無視することはできない時代になってきました。
上顎第一大臼歯では約70%に存在するとされ、過去の治療では高い割合で未処置となっていることが報告されています。
さらに、未処置のMB2が存在する場合、60%以上で治療が失敗している可能性を示す報告もあります。
だからこそ、より良い根管治療を希望される患者さんには、
「マイクロスコープがありますか?」だけではなく、
「私の歯にMB2はありますか?」
と聞いていただきたいと思います。
そして、
CTでMB2を診断・予測しているか。
マイクロスコープを実際の治療に使用しているか。
MB2について治療前に説明してくれるか。
そして、誰が実際に治療を担当するのか。
そこまで確認して歯科医院を選ぶことも、ご自身の大切な歯を守るための一つの方法です。
MB2について深い知識と治療経験を持つ歯科医師に相談すること。
それは、難しい上顎大臼歯をできるだけ長く残すための、大切な選択肢の一つだと当院では考えています、









